楽譜『波浮の港 ギターソロ 西川恭・編』G&M刊
◎演奏形態:ギターソロ、ギター独奏
◎頁数:A4サイズ 計7ページ
・五線譜:3ページ
・五線譜+タブ譜:4ページ
◎ご購入は以下の店舗またはオンライン楽譜サイトでどうぞ
1924年(大正13年)作詞:野口雨情 作曲:中山晋平
日本最初期の商業用レコードとして昭和2年に発売され大ヒットした曲です。日本人の心の琴線に触れる“わび・さび”に満ちた旋律から、離れ島の日暮れの情景が浮かび上がってくるようです。
歌の舞台は伊豆大島の波浮港。当時は東京との船便もないさびしい漁村。野口雨情は現地をおとずれることなく、自身の故郷の風景からイメージを広げて詩を書いたといいます。そのため実際の波浮港では見られない夕日や海鵜が詩に登場する、というのはこの歌にまつわる有名なエピソードです。
中山晋平は大正から昭和のはじめにかけて、その時代における新しい在り方でもって、作曲家として大衆音楽を牽引しました。
まずは大正3年、芸術座公演の劇中歌「カチューシャの唄」で“日本の流行歌第一号”を生み出したことから作曲家としてのキャリアをスタートします。そして児童雑誌『金の船』『コドモノクニ』誌上で野口雨情とのコンビで「雨降りお月さん」「あの町この町」などの童謡を多数発表。また当時盛んだった新民謡の作曲にも力を入れています。
その頃、新しい録音技術の伝来などによって、日本国内でのレコード製造がはじまります。これにより一般の人々にとってレコードが以前よりも身近なものとなり、レコードで音楽を楽しむ文化が広がり始めます。
昭和2年(1928年)にレコード発売された「波浮の港」は、日本における最初期の商業用レコードのひとつであり、その中でもレコードによって広がった最初のヒット曲と言えるものでした。
音楽文化の新しい形態が生まれたとき、そこにはいつも中山晋平の曲があった。そんな印象すら感じられます。