チャコ&チコの歌声喫茶《折々そそぐ秋の歌声》を東京・西荻窪にておこないました。実に三年半ぶりとなる会場開催です。
2023年9月25日(月)と27日(水)、猛暑続きの日々もようやく落ち着きを見せはじめ、さいわいにもこの二日間の最高気温は30度未満。秋のさわやかな空気を多少なりとも感じられる日和となりました。
開場時刻15分前。お店の前にはすでにお客様のお顔がチラホラ。そうでした、皆さま行動は“早め早め”。それは年月が経ってもかわりないようです。懐かしいお顔はもちろん、チャコ&チコのYouTube配信で今回の開催を知って、初めていらしてくれた方も。
開場するとさらに続々とお客さまが。予約番号順にご入場いただくシステムは今回からの新しい試みです。お客さまの入退場ができるだけスムーズになるように、お支払いも予約時にお振り込みいただく形としました。
店内のテーブル配置は三年前とは多少変わっていますが、お客さまそれぞれ好みの座席の位置はだいたいあの頃と同じみたい。壁際が好きな方。後ろの席が落ち着くという方。とにかく最前列! という方。おたがいに名前はわからなくても「ひさしぶりね」とあいさつをかわし合っています。
そして開演——。
準備体操と発声練習を終えて、久しぶりに声を合わせて歌うのは「ちいさい秋みつけた」。
サトウハチロー氏によるこの歌は、なんらかの理由で部屋にこもっている子の視点で描かれています。秋を満喫できないやるせなさ、でもその一方で、その場所だからこそ感じられた繊細な秋の様相とそれに気づけたよろこび。「ちいさい秋」とは、実にやさしく味わい深い、親愛なる秋の指小辞なのだと思うのです。
今回、健康上の理由や、集まって歌うことの不安、当日の発熱・体調不良等により、ご参加を見合わせたお客さまもいらっしゃいました。その方々も心はご一緒に、という気持ちでこの一曲目を歌いました。
店内に響く歌声とこぼれる笑顔は三年半ぶりの懐かしい風景であると同時に、まるで長いお休みなどなかったかのような、ごくあたりまえの昨日のつづきのようにも見え、なんだか不思議な感慨をおぼえるものでした。
今回の歌声喫茶のサブタイトルは《折々そそぐ秋の歌声》。
皆さまのさまざまな思いが織りなす秋の歌声喫茶、というイメージで、文部省唱歌「四季の雨」の歌詞「木の葉木の実を野に山に 色さまざまに染めなして 折々そそぐ秋の雨」から拝借したフレーズです。
そのことばのイメージそのままに「誰もいない海」「秋桜 -コスモス-」「里の秋」「野菊」など、秋の愛唱歌がおおぜいの歌声で彩られていきます。
歌の好みは人それぞれ。唱歌や童謡が好きな人もいれば、演歌にグッと感情を込めたい人、青春歌謡を高らかに歌いたい人もいます。手拍子をして、リズムに乗って体全体で楽しんだり、静かに自分自身の想いを歌詞に重ねてみたり。その歌声はまさに“色さまざま”です。
時にはタイミングが合わずにみんなの声がバラバラになり、そのバラバラさ加減に思わず笑ってしまったり、そうかと思えば、むずかしい歌いまわしが合図もなしにピッタリとそろう瞬間や、美しいハーモニーが聞こえてくることも。それは合唱でもない、カラオケでもない、コンサートともちがう、歌声喫茶ならではの“ゆるやかな一体感”。それこそが歌声喫茶の醍醐味といえるものかもしれません。
プログラムも佳境に入り、人気曲「学生時代」は同窓会さながらの盛り上がりです。「学生じ〜だ〜い〜〜〜」とエンディングで息のつづくかぎり声をたっぷりとのばして歌いきったら、いよいよラストソング。“更けゆく秋の夜”をしみじみと感じながら唱歌「旅愁」で締めくくり。
こうして三年半ぶりの歌声喫茶は皆さまの笑顔とともに幕を閉じました。
ご記入いただいたアンケートでは、以下のようなお声をいただきました。
- 久しぶりに声を出して「歌って楽しいなあ」とあらためて思いました。
- 生の歌声は最高。皆さんと声を合わせて心の底から「歌声」を楽しみました。
- 久しぶりの生の歌声で感傷的になりました。
- 皆さんと歌うと、歌のパワー、歌のもつ力をあらためて感じます。
- 大声で歌って発散できました。
- 今夜はスッキリグーグーねむれそう。
- とても楽しい、温かいひととき。秋を満喫させていただきました。
次回は12月に、クリスマスナンバーを交えて冬の愛唱歌を楽しむ企画を開催予定です。
ご予約手続きに感染症対策などご面倒をおかけいたしますが、皆さまに楽しんでいただける歌声の場を継続していけるように努力してまいりますので、これからもチャコ&チコの歌声喫茶をよろしくお願い申し上げます!
〜次回、冬の歌声喫茶を2023年12月に開催します〜
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