ここ数年の四季の様相は私たちが経験してきたそれとは少々ちがっていて、この時季も梅雨と真夏はもはや順不同で好き勝手におとずれることになったようです。
そんな2024年の上半期も終わりに近づく6月26日（水）28日（金）、チャコ＆チコの歌声喫茶《夏が来れば思い出す》を開催しました。
26日は最高気温31.4度の真夏日、一方で28日は強い雨、それも開場時刻の13時頃が最も雨足が激しくなり、いずれの日もたいへんな状況の中でお越しいただくこととなってしまいました。来ていただいただけでもう「おつかれさまです!!」といってお迎えしたいほど。ご来場のみなさま、本当にありがとうございます。
今回のタイトル《夏が来れば思い出す》は、ご存知、初夏の名曲「夏の思い出」の歌い出しの一節です。すがすがしい初夏の抒情歌から来たるべき真夏の熱いナンバーまで、三夏の愛唱歌を中心に懐かしい歌のひとときを存分に楽しみましょうという思いを込めました。
さあ、いつものように準備体操（肩回し、ギューストン）と発声練習で体の準備を整えて歌い始めます。1曲目はタイトル曲「夏の思い出」。第一声からみなさまの歌声は暑さにも雨にも負けない力強さ！ 歌うぞという強い意志が伝わってくるような歌声で、なんだかこちらも気合いが入ります。
「山小舎の灯」「さくら貝の歌」とラジオ歌謡発の山・海の名曲が続きます。さらに「雨の慕情」「岬めぐり」へと。これら昭和50年代の人気曲はチャコ＆チコの歌声喫茶では比較的新しい曲（！）の部類に入ります。
静謐な心持ちで「希望のささやき」を二部合唱で歌い、前半ラストは「想い出の渚」。最後の「あの夏の日〜」の繰り返しのところは思いっきり歌い上げていただいて、声を出し切って休憩に入ります。
毎回お配りしているプログラムにはクロスワードパズルを掲載しています。その名も「うたごえクロスワード」。タテ・ヨコのカギが懐かしい歌にまつわることばでできているのがポイントです。けれど、それほど難易度が高くないからか、誰も正解用紙を求めてくれないのが悩みの種でした。そこで今回は、正解用紙に少し仕掛けをほどこし、無理やり全員にお渡しすることに成功しました！ ※仕掛けとは「当たりクジ」付きとしたことです。
閑話休題、後半は文部省唱歌「海」からスタート。昼の海、夜の海がショートムービーさながらに描かれる叙景歌です。やはり夏の歌声喫茶に海の歌は欠かせません。他にも「恋のバカンス」「椰子の実」など、さまざまな雰囲気の海を舞台にした歌を楽しみました。
そして夏の唱歌の名曲といえば「夏は来ぬ」。ウツギの花、ほととぎすの鳴き声、雨、田植、五月闇、ホタルといった夏の風物が次々に登場します。街なかでは出会うことが難しくなりつつある季節の手がかりのようなものに、せめて毎年歌の中で触れることで、春夏秋冬と五感でつながる感覚を忘れないようにしたいものです。
さて、最後になりますが、今回はもうひとつ大きなトピックが！
現在『NHKラジオ深夜便』で毎月第3火曜日の午後11時台に『夜ばなし歌声喫茶』というコーナーが放送されています。歌手／芸人のタブレット純さんが歌声喫茶で親しまれてきた名曲を毎回1曲ずつ深掘りし、その歌の背景と魅力に迫るという内容で、これまでに「北上夜曲」「北帰行」「川は流れる」「山のロザリア」などがとりあげられています。
ご縁があってこの番組に取材協力することとなり、今回タブレット純さんと番組ディレクターさんが会場まで取材にいらっしゃいました。詳しい内容は放送をお聴きいただければと思いますが、タブレット純さんのお人柄がにじみ出るおはなしと歌声に会場は爆笑と感動に包まれ、いつにも増して歌声喫茶特有の一体感を感じるひとときとなったのでした。
『ラジオ深夜便・夜ばなし歌声喫茶』（NHKラジオ第1）の放送は7月16日（火）午後11時台です。
▶︎ 聴き逃し配信 でもお聴きいただけます。
2024年7月24日(水)午前0:00配信終了
そして、次回のチャコ＆チコの歌声喫茶は9月に開催いたします。昨年秋に会場での歌声喫茶を再開してからようやく四季がひとめぐり。ここからまた新しいスタートという気持ちで、皆さまが楽しめる歌声の場作りに努めてまいります。これからもよろしくお願い申し上げます！
