懐かしい歌をギター生伴奏で

秋の代表的な童謡のひとつ。だれかさんが、だれかさんが...

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ちいさい秋みつけた

 
1955年(昭和30年)童謡
作詞:サトウハチロー
作曲:中田喜直

だれかさんが だれかさんが
だれかさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

めかくし鬼さん 手のなる方へ
すましたお耳に かすかにしみた
呼んでる口笛 もずの声
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

だれかさんが だれかさんが
だれかさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

お部屋は北向き くもりのガラス
うつろな目の色 とかしたミルク
わずかなすきから 秋の風
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

だれかさんが だれかさんが
だれかさんが みつけた
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

むかしのむかしの 風見の鳥の
ぼやけたとさかに ハゼの葉ひとつ
ハゼの葉あかくて 入り日いろ
ちいさい秋 ちいさい秋
ちいさい秋 みつけた

 

「だれかさんが、だれかさんが…」という、わらべうた風のものかなしいリフレインが印象的な秋の童謡です。

ちいさい秋みつけた」という題名からは、少しずつ秋の気配が感じられる季節を連想しますが、描かれてているのは“秋本番”の情景です。歌詞に出てくるハゼノキの紅葉は11月頃ですので、晩秋と言っていいかもしれません。

歌詞から感じられるのは、なんらかの理由で部屋にこもっている者の視点でしょうか。かすかに聞こえてくる子どもたちの遊ぶ声、少し冷たいすきま風、舞い落ちて視界に入ってきた紅いハゼの葉。

秋を満喫できないやるせなさと、この場所だからこそ感じられた繊細な秋の様相に気づいたよろこびとがまじりあった複雑な感情を示しているように思える歌詞は、人々が秋という季節の中で無意識に抱いているセンチメンタリズムを刺激します。

作詞のサトウハチロー氏は同時期に童謡「秋の子」も書いていて、この歌でも、楽しそうな秋の情景の“外側”にいる子のまなざしを描いているのが印象的です。


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/09/10(日)