長期入院していた美空ひばりさんの復帰作。
歌詞に出てくる「塩屋の岬」は福島県いわき市平薄磯の塩屋埼灯台(しおやさきとうだい)。昭和32年の映画『喜びも悲しみも幾歳月』にも登場する灯台です。映画は当時の塩屋埼灯台長夫人・田中きよさんの手記を原案として制作されました。
作曲家の船村徹さんは「波止場だよお父つぁん」「哀愁波止場」「ひばりの佐渡情話」など美空ひばりさんとは昭和30年代からのつきあい。ひばりさんのファルセット(裏声)の魅力を引き出したこともよく知られています。
船村さんが入院中のひばりさんに退院後の新曲について、「大病を患ったあとだから、次の曲は少し加減して、歌いやすいほうがいいんじゃないでしょうか」と伝言すると、「いやです。今までと同じようにしてください」という返事が来たそうです。(NHKラジオ深夜便 2015年10月号より)
【参考・引用元】
NHKラジオ深夜便 2015年10月号 作家・五木寛之“聴き語り 昭和の名曲”「第3回 作曲家・船村徹さんを迎えて①」
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