西田佐知子さんの代表的なヒット曲。
作詞者の水木かおる氏は同じく西田佐知子さんの「エリカの花散るとき」や、渡哲也さんの「くちなしの花」などを手がけています。
「アカシアの〜」と歌われるこの植物。正式な名前は「ニセアカシア(和名:ハリエンジュ)」。北アメリカ原産の落葉高木で、白く香りの強いきれいな花を初夏に咲かせます。街路樹などによく使われています。
内堀通りには明治7年にニセアカシアが植栽されました。これが日本で最初の近代的街路樹のひとつで、「市内最初の並木」の石碑と案内板が建てられています。なお、現在の街路樹はニセアカシアではなく、エンジュが植えられているようです。
石原裕次郎さんの「赤いハンカチ」に出てくる《アカシヤの花の下で〜》や「恋の町札幌」の《アカシヤも散った》、北原白秋・作詞「この道」の《あかしやの花が咲いてる》、さらに小畑実さんの「星影の小径」に登場する《あなたのささやきはアカシヤの香りよ》、これらはいずれもニセアカシアのことです。
「ニセ」と付いているわけですから、ニセでない“本来の”アカシアが存在します。こちらは熱帯・温帯で育ち、春に小さな黄色の花がたわわに咲く広葉樹です。俗に「ミモザ」とも呼ばれ、奈良光枝さんの「赤い靴のタンゴ」に《春はミモザの花もにおう》と歌われています。
日本にはこの本来のアカシア(ニセでないアカシア)よりも先に、明治のはじめにニセアカシアが輸入され、これを「アカシア」と呼んでしまっていました。そのため、のちに本来のアカシアが入ってきた際に、両者を区別するために、それまでアカシアと呼んでいたものを「ニセアカシア」と正しく呼ぶ必要が出てきたというわけです。ややこしい話であります。