懐かしい歌をギター生伴奏で

歌の舞台は青山学院青山キャンパス

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学生時代

 
1964年(昭和39年)ペギー葉山
作詞・作曲:平岡精二

蔦のからまるチャペルで 祈りを捧げた日
夢多かりしあの頃の 想い出をたどれば
懐しい友の顔が 一人一人浮かぶ
重いカバンを抱えて 通ったあの道
秋の日の 図書館の
ノートとインクのにおい
枯葉の散る窓辺 学生時代

讃美歌を歌いながら 清い死を夢みた
なんのよそおいもせずに 口数も少なく
胸の中に秘めていた 恋への憧れは
いつもはかなく破れて 一人書いた日記
本棚に目をやれば
あの頃読んだ小説
過ぎし日よ 私の学生時代

ロウソクの灯に輝く 十字架をみつめて
白い指を組みながら うつむいていた友
その美しい横顔 姉のように慕い
いつまでも変わらずにと 願った幸せ
テニスコート キャンプファイヤー
なつかしい日々は帰らず
素晴らしいあの頃 学生時代
素晴らしいあの頃 学生時代

 

「南国土佐を後にして」と並ぶペギー葉山さんの代表曲のひとつです。

「学生時代」の舞台は青山学院青山キャンパスであることがよく知られており、歌詞にも登場するチャペル前にはこの歌の歌碑が建てられています。作詞・作曲者の平岡精二氏は青山学院大学出身で、ペギー葉山さんも青山学院高等部卒。

曲は平岡精二氏がペギー葉山さんのアルバム制作中、ひと休みしているときににふとアイデアが浮かび作られたもの。いわばたまたまできた1曲なわけですが、ペギー葉山さんがこれをたいへん気に入ったのだそうです。

この時制作中のアルバムはバラード中心で、アップテンポの「学生時代」はムードが異なるものだったため、ディレクターはアルバム収録を反対したそうですが、最終的にはペギーの意向が通りました。そして発売されたアルバムからは「学生時代」だけが大ヒットするという、なんとも運命的なヒット曲の誕生でした。

この数年前、元々は歌うことを望んでいなかった「南国土佐を後にして」で大ヒット歌手となり、今回も、偶然に曲が生まれアルバムに収録されることになった「学生時代」がこれまた大ヒットし、それらが生涯の代表曲となったペギー葉山さんは、天性の歌手としてヒット曲を呼び寄せる力を備えていたように思えてなりません。

【参考文献】
喜早哲 『日本の抒情歌』 (誠文堂新光社)
※国立国会図書館デジタルコレクション


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/04/04(火)