懐かしい歌をギター生伴奏で

松竹映画『愛染かつら』監督:野村浩将、主演:田中絹代、上原謙(昭和13年)

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旅の夜風

 
1938年(昭和13年)霧島昇、ミス・コロムビア
作詞:西條八十
作曲:万城目正

花も嵐も 踏み越えて
ゆくが男の 生きる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡を ひとりゆく

やさしかの君 ただひとり
発たせまつりし 旅の空
可愛い子供は 女のいのち
なぜに淋しい 子守唄

加茂の河原に 秋たけて
肌に夜風が しみわたる
男 柳が なに泣くものか
風に揺れるは 影ばかり

愛の山河 雲いくえ
心ごころを へだてても
待てば来る来る 愛染かつら
やがて芽を吹く 春がくる

 

川口松太郎氏の小説を原作とする、田中絹代さん、上原謙さん主演の松竹映画『愛染かつら』(監督:野村浩将)の主題歌として、映画も曲も空前の大ヒットとなりました。

前年にデビューした霧島昇さんは本作の大ヒットを皮切りに「一杯のコーヒーから」「純情二重奏」「誰か故郷を想わざる」「蘇州夜曲」など第一線の人気歌手に。また、すでに人気歌手だったミス・コロムビアさんと本作で共唱したことをきっかけに二人は結婚、おしどり夫婦として知られました。

作曲の万城目正(まんじょうめ・ただし)氏は東洋音楽学校出身で、作曲家・佐々木俊一氏(「新雪」「高原の駅よさようなら」など)とは同級生。卒業後は共に浅草の映画館での演奏を経て、佐々木氏はビクターへ、万城目氏は松竹の音楽部に入社しました。松竹/コロムビアで「リンゴの唄」「悲しき口笛」「東京キッド」「この世の花」など数々の映画主題歌を手がけ、それらは“万城目メロディー”と呼ばれて親しまれました。

【参考文献】
なつめろの人々』藤浦洸・著(読売新聞社)

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投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2024/12/21(土)