懐かしい歌をギター生伴奏で

白馬岳。写真の真ん中あたり、左を向いた馬の形が黒く浮かび上がっています。と言われればそのような気がします。

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山小舎の灯

 
1947年(昭和22年)近江俊郎
作詞・作曲:米山正夫

黄昏の灯は ほのかにともりて
懐しき山小舎は ふもとの小径よ
想い出の窓に寄り 君をしのべば
風は過ぎし日の 歌をばささやくよ

暮れゆくは白馬か 穂高は茜よ
樺の木のほの白き 影も薄れゆく
寂しさに君呼べど わが声むなしく
遥か谷間より こだまは返り来る

山小舎の灯は 今宵もともりて
一人聞くせせらぎも 静かに更けゆく
憧れは若き日の 夢をのせて
夕べ星のごと み空に群れとぶよ

 

古き良きカントリーミュージックを彷彿とさせる前奏にはじまり、山の雄大さとおおらかさが感じられるような旋律と響きにのせて、切なさをふくんだ過ぎし日への想いがつづられます。

作詞・作曲の米山正夫氏の親友だった歌手・近江俊郎さんの尽力により、NHKラジオ歌謡で発表され大ヒットとなりました。

実はこれ以前に、昭和17年に高峰秀子さんの歌唱を想定して作曲されていたのですが、当時の戦時統制下、米英調の音楽の規制により未発売となっていました。同じく米山氏作曲の「森の水車」も昭和17年に高峰秀子さんの歌唱でレコード化されるも、敵性的な音楽であるという理由で発売禁止。のちに昭和26年、ラジオ歌謡でヒットという経緯をたどっています。

歌詞に出てくる「白馬」は、北アルプス北部、長野県と富山県にまたがる白馬岳(2932m)のこと。春に山肌に見られる雪形が「代掻き馬(しろかきうま)」に見えることが、この山の名前の由来だという説があります(近年異論もあるようです)。

雪形とは、山の岩肌と積雪とが織りなす白と黒の模様のこと。「代掻き」は、水を張った田んぼの土を砕いて平らにならす作業で、それを行う馬のことを「代掻き馬=代馬(しろうま)」と呼ぶそうです。


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/04/16(日)