懐かしい歌をギター生伴奏で

昭和32年5月、有楽町そごう開店初日は歌詞の通り「雨」だったそうです。

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有楽町で逢いましょう

 
1957年(昭和32年)フランク永井
作詞:佐伯孝夫
作曲:𠮷田正

あなたを待てば 雨がふる
濡れてこぬかと 気にかかる
ああ ビルのほとりのティールーム
雨もいとしや唄ってる
甘いブルース
あなたとわたしの合言葉
有楽町で逢いましょう

心にしみる 雨の唄
駅のホームも 濡れたろう
ああ 小窓にけむるデパートよ
今日のシネマはロードショー
かわすささやき
あなたとわたしの合言葉
有楽町で逢いましょう

かなしい宵は 悲しいよに
燃えるやさしい 街あかり
ああ 命をかけた 恋の花
咲いておくれよ いつまでも
いついつまでも
あなたとわたしの合言葉
有楽町で逢いましょう

 

昭和32年5月の有楽町そごう開店に合わせて、この曲をふくめ、テレビ、小説、映画など複数のメディアでキャンペーンが展開されました。雨の有楽町を妖美に描いた歌詞と符合するように、開店初日は雨だったそうです。

金子勇氏による𠮷田正評伝には、この曲の作曲の前日、有楽町の喫茶店でお茶を飲んでいる時にポツポツと雨が降ってきたことが曲想の一部となっている興味深いエピソードが語られています。作詞家・佐伯孝夫氏の描く雨の有楽町の風景と、作曲家・𠮷田正氏の偶然に体験した有楽町の雨音が合わさってこの名曲が生まれたことに、奇跡的なめぐり合わせを感じます。

作曲家・𠮷田正氏は幅広い作風で昭和30〜40年代の歌謡界を彩りましたが、とりわけこの曲や「東京の人」「夜霧の第二国道」「東京ナイト・クラブ」「誰よりも君を愛す」などムーディな都会派歌謡の作品群は昭和30年代前半の𠮷田メロディーの主軸となりました。

編曲の佐野鋤氏はビクターの編曲家で「君待てども」(昭和23年、作詞作曲:東辰三、歌:平野愛子)のジャズ・ブラスアレンジを担当しています。

【参考文献】
ミネルヴァ日本評伝選 𠮷田正:誰よりも君を愛す』金子勇・著(ミネルヴァ書房)


投稿者:チャコ&チコの歌声喫茶
記事公開日:2023/06/12(月)